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掖済会のあゆみ

掖済会のあゆみ

 前島密氏ほか明治政府の要人や海運界首脳約50名が発起人となり、当会を設立したのは、明治13年(1880年)8月のことです。しかし、実質的な事業は、翌14年6月に、東京府南品川にある心海寺の一部を借り受けて「海員寄宿所」を開設したことが始まりです。
 当時の船員は、厳しく劣悪な労働環境の下、江戸幕府以来の船方の悪習をそのまま引きずっていたため、これを早急に是正し、生活習慣を改めさせなければ、近代的な海運の発展が望めないと考えたことが当会設立のきっかけでした。

 その後、宿泊場所の提供や乗船の斡旋、船員の教育訓練、遭難船遺族への弔意・慰安などの事業を行う一方、船員に対する医療の提供も開始し、幅広く福利厚生に努めてまいりました。
 これらの事業は、終戦後、国の直轄事業や他の公益法人の業務として引き継がれていき、掖済会には主として医療事業が残ることになりました。これを契機として、当会は、地域住民の皆様方のために、医療・福祉を提供することに専念してまいりました。
 現在、当会は、東京に本部を置き、全国各地で病院8施設、診療所1施設、介護老人保健施設2施設、看護専門学校1施設を運営しております。(職員数は約3,000名。)

 なお、当会は、我が国で最も古い公益法人であり、民法施行前から独立の財産を有する社団であったため、明治31年に民法が施行された際、民法施行法の規定により、明治31年10月20日付けで認可を受け、法人登記第一号となっています。
 その後、平成25年4月1日に一般社団法人へ、そして令和2年4月1日に公益社団法人へ移行し、現在に至ります。
「前島密五十年祭記念展」(昭和44年)において展示された守屋多々志画伯の「日本海員掖濟會創立の図」 (逓信総合博物館所蔵)
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